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貧血

貧血とは?

人間の血液は赤血球・白血球・血小板からなる血球成分と血漿成分で構成されています。なかでも赤血球には、私たちが生きていく上で欠かすことのできない酸素を体のすみずみにまで運んでくれるヘモグロビンという物質が含まれています。一般に貧血といわれる症状は、このヘモグロビンの量が減少した状態をさします。もちろん、これは体内の血液の全体量が不足しているわけではなく、体内の鉄分の不足から赤血球が十分に作れないことが原因となり、酸素を運ぶヘモグロビンが減少してしまうために起こるのです。貧血特有の症状としては、朝スッキリ起きられない、疲れやすい、めまいや動悸、立ちくらみを起こすことがある、頻繁に頭痛がする…などが代表的ですが、これらは食生活の改善などでも十分に克服できます。ポイントは鉄分、ビタミンC、ビタミンB12などの摂取です。

貧血のメカニズム

からだの細胞に酸素を運搬するヘモグロビンとは、赤血球に含まれている血色素のことで主な成分は鉄とたんぱく質です。なかでも鉄分は大変重要で、体内の約2/3もの量がヘモグロビンに含まれています。通常、食事などで摂取される鉄分は十二指腸で吸収され、肝臓にためられて、必要に応じて血液中に送り出されます。このため、鉄分が不足するとヘモグロビンを十分に作りだせなくなり、供給される酸素の量が不足してしまいます。そうすると、からだはみずからの生命を守ろうと、心臓の鼓動や呼吸を速めるなどの代償作用を起こし、酸素の供給量を正常に戻そうとします。このときに起きる動悸や息切れ、めまい、立ちくらみ、頭痛、疲れといった酸欠状態が、貧血の約7割をしめるといわれる「鉄欠乏性貧血」のメカニズムです。

予防のポイント

バランスのとれた食生活を
予防の基本は、規則正しい食生活と栄養のバランス。「朝食抜き」や、ムリなダイエットは貧血を助長させる大きな原因となります。栄養のバランスのとれた食事を心がけ、特にヘモグロビンの構成に欠かせない鉄分をはじめ、ビタミンC、ビタミンB12を確実に補給するようにしてください。
鉄分の吸収を高める
鉄分の吸収によい食べ物としては豚レバー、魚、卵黄などがあります。また、ほうれん草、貝類、穀物、ひじきなどに含まれる鉄分は、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒にとると吸収がよくなります。ちなみにビタミンCを多く含む食べ物にはパセリ、ブロッコリー、芽キャベツなどがあります。
ティータイムは控え目に
肉、魚、チーズなどに多く含まれるビタミンB12や葉酸、ほうれん草や大豆などに含まれるビタミンB6などもヘモグロビンの生成に欠かせない栄養素。ふだんの食生活の中で摂取することを心がけてください。なお日本茶、紅茶、コーヒーは鉄の吸収を悪くしてしまいますので、とりすぎにご注意を。

鉄欠乏性貧血のケア

鉄不足の原因を明らかにする
からだの鉄分が足りなくなる原因は、摂取不足、吸収不全、出血によるものなどがあげられます。一般的な例をあげれば、若い女性の場合は妊娠や生理に関係するものが多く、成人男性の場合は胃や十二指腸に潰瘍ができてしまったことによる出血などが考えられます。また、胃酸が欠乏する無酸症や低酸症を患うと、鉄分の豊富な食べ物を摂取していても、体内への鉄分の吸収が低下してしまいます。
薬を服用する
「鉄欠乏性貧血」のケアは、鉄分を補給し、ヘモグロビンの生成を助けることにつきます。ただし、食事だけではなかなか貧血を治すほどの量は摂取できないことも事実。症状によっては、鉄剤や増血剤を服用することにより、不足分を上手に補充することも必要です。
自覚症状のチェックを
貧血の状態は、病院などの血液検査でヘモグロビンの濃度をチェックすればわかります。さらに日常生活の中では、鉄剤などを服用しながら、自覚症状を自分なりにチェックすることも大切です。これらの薬をしばらく服用しつづけても症状が改善されない場合は、ほかの原因も考えられますので、医師または薬剤師の指導を受けることを忘れないでください。