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かぜ

かぜとは?

「かぜ」は年間を通じてかかりやすい病気の一つ。ほとんどがウイルス感染によるもので、鼻水、鼻づまり、のどや関節の痛み、発熱、せき、たんなどの症状があらわれます。多くの場合は「普通感冒」に分類され、鼻、口、のど、気管支など上気道に急性炎症が起き、軽い場合は2〜3日、長くても1週間程度で治ります。しかし「かぜ」は万病のもとといいます。症状が長引けば肺炎など深刻な合併症をひき起こすこともあるため、早めに症状に合ったかぜ薬を服用することが大切です。

ウイルスによってかぜの症状は違う

インフルエンザが全身症状であるのに対して、「かぜ」の症状はウイルスの種類によって異なります。ライノウイルスやコロナウイルスは鼻水、鼻づまりをともなう「鼻かぜ」。一方、アデノウイルスはのどの痛みや腫れが特徴で、夏かぜの代表として知られています。

図:かぜ症候群の原因
  • かぜ症候群の原因
  • かぜ症候群の原因

かぜとインフルエンザ

「かぜ」は局所的な感染症、インフルエンザは全身性の感染症
紛らわしい名前ですが、かつて大流行した「スペインかぜ」「ホンコンかぜ」はインフルエンザのこと。インフルエンザウイルスの凶暴性は、「かぜ」のウイルスとは比べものになりません。「かぜ」は万病のもとといいますが、インフルエンザはそれ自体が命をおびやかす怖い病気です。したがって持病を悪化させる可能性も大きく、糖尿病や肝臓疾患など慢性疾患がある人はワクチン接種などで確実にガードする必要があります。
かぜとインフルエンザの違い
「かぜ」 ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどの温厚なウイルスが気道に局所的に感染して発生する病気。鼻水、鼻づまり、のどの痛み、頭痛や発熱(37〜38℃)が主な症状ですが1週間もあれば回復します。
「インフルエンザ」 インフルエンザウイルスによって発生する全身性の感染症で、肺炎や気管支炎などの合併症を起こしやすい病気。突然の高熱(38〜40℃)が3〜4日つづき、激しい頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身の痛み、ひどい疲れがしばらく続きます。普通の「かぜ」の症状はそれほど出ませんが、体力の消耗が激しいため抵抗力のない子どもや高齢者にとっては命にかかわる危険性があります。
なぜ毎年インフルエンザにかかるの?
その理由は、私たちの見えないところでインフルエンザウイルスが進化しているからです。ここ数年、世界中で鳥インフルエンザの拡大が懸念されていますが、それは動物や人を介することで、より増殖力の強いハイブリッドウイルスに変性し、増殖・感染を続けるからです。つまり、もとは去年のウイルスであっても、ハイブリッド化したウイルスは未知の生命体と同じ。確実に封じ込めるワクチンがないため、このウイルスを外へ出さないように国を挙げて感染を食い止めなければなりません。

間違えやすい「かぜ」「インフルエンザ」「花粉症」

「かぜ」 「インフルエンザ」 「花粉症」
原因 ライノウイルス
コロナウイルス
アデノウイルス
インフルエンザウイルス アレルギー体質
スギ花粉など
発症と進行 気がついたら発症し
徐々に進行
突然発症し
急激に進行
季節的な発症で、
シーズン中症状がつづく
初期症状 くしゃみ、鼻水、のどの乾燥 悪寒、頭痛 くしゃみ、鼻水
主な症状 鼻水、鼻づまり、
咳、のどの痛み
発熱、関節痛、
筋肉痛、耳の痛み
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、
目のかゆみ、のどの痛み
発熱 平熱〜39度 約39〜40度 ほぼ平熱
食欲 それほど変わらない ない それほど変わらない
ワクチン ない ある 減感作療法としてある
合併症 まれにある 肺炎、脳症、脳炎など まれに気管支喘息

夏かぜと冬かぜの違いは?

夏かぜと冬かぜはウイルスが違うため、症状も違ってきます。
冬かぜの原因となるウイルスはRSウイルス、コロナウイルスなどで11月から3月にかけて流行し、主な症状は鼻、のど、せきなどの症状が出ます。冬のウイルスは低温、低湿度を好む上、人の抵抗力は体温が0.5度下がると30%も低下するといわれており、冬はウイルスの増殖に最適の環境といえます。
一方、夏はアデノウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーA型・B型といった高温多湿を好むウイルスが活発に活動します。主な症状は頭痛、のどの痛み、発熱で、コクサッキーウイルスの場合は下痢、腹痛をともなうのが特徴。全体的に高い熱が出る傾向があり、とくに子どもは、アデノウイルスによるプール熱などの発熱とともにのどの症状を伴うことが多くなります。気温が高く、湿度が多い5月から8月にかけて発症しますが、エアコンや扇風機によって鼻やのどの粘膜が乾燥していることも夏かぜをひきやすくする原因の一つ。さらに夏は大量の発汗によって体内の水分が奪われがちな上、夏バテによる食欲不振や寝不足、温度差による自律神経のアンバランスなどが重なり、抵抗力が低下して秋口まで症状が長引く人もいるようです。

かぜの症状と薬選び

症状に合った薬を選びましょう

かぜの症状は誰もが同じではなく、感染したウイルスの種類や生活環境によっても違います。また気管が弱い人、鼻の粘膜が弱い人、体力がない高齢者や子どもなど、体質や体調によっても違います。早めの回復には症状に合った薬を選ぶことが大切です。

総合感冒薬とは
鼻水、鼻づまり、くしゃみなどをしずめる抗ヒスタミン剤や、熱を下げる解熱鎮痛剤など、「かぜ」の諸症状を抑える成分の組み合わせで処方されているのが総合感冒薬です。せきを止める鎮咳剤や胃粘膜への刺激をやわらげる成分、生薬や漢方などを配合したものもあります。
鼻の症状が強いとき
くしゃみ、鼻水、鼻づまりは、かぜのひきはじめに出ることが多い症状です。初期の鼻かぜは鼻の中枢神経が刺激されて起きるため、他の症状がなければアレルギー反応をおさえる抗ヒスタミン剤で症状はおさまります。ただしかぜをひくと、鼻水や鼻づまりなどの症状から熱やせきの症状に変わりやすい人は、最初から鼻症状の処方を強化した総合感冒薬を服用すると安心です。また鼻の症状を抑える点鼻薬は使いすぎると血管収縮剤の習慣性により鼻づまりを悪化させる場合があります。鼻腔内が過敏になりすぎることもあるため、長期連用と使い過ぎに注意しましょう。
のどの痛みが強いとき
のどが痛いときはのどの痛みや腫れを抑えるトラネキサム酸を配合したかぜ薬や、殺菌力のあるトローチやうがい薬で炎症をおさえましょう。早めに手を打つことで「かぜ」の本格化を予防することができます。
せきやたんがひどいとき
せき止めの多くは、たんを切る成分も配合しています。せき中枢に作用するため即効性はありますが、一部習慣性のある成分も配合されているため継続的な使用は避けるようにしましょう。とくに気道粘膜がはれて炎症を起こしているときは、むやみにたんを止めてはいけません。たんが気道にとどまって空気の通り道をふさぐばかりでなく、細菌がいつまでも体に残ることになります。
かぜ薬で眠くなるとき
最近は比較的眠くなりにくい薬も出ていますので、仕事中には比較的眠くなりにくいイブプロフェンやアセトアミノフェンなどが配合されたかぜ薬がオススメです。また、いろいろな生薬を組み合わせた漢方処方の薬は、眠くなる副作用がないことからデスクワークの多い方は薬局やドラッグストアで相談してみるとよいでしょう。
高熱が続くとき
高熱が続くのはウイルスの勢いが強いということ。体内で白血球がウイルスと戦っているサインで、その反応として高熱が出るのです。ただ、この状態が続くと体力を消耗してしまいます。解熱鎮痛剤は高熱による体力の消耗を防ぐためのもの。熱が下がっても「かぜ」が治ったわけではないので、薬を止めたとたんにふたたび熱が上がることもあります。このような時には水分の補給とともにビタミンCや栄養剤を活用し、消耗した体力を補うようにしましょう。