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ニュースリリース

令和5年1月

順天堂大学との共同研究で創傷治癒に関わる生理活性脂質代謝の研究成果を発表

 佐藤製薬株式会社(本社:東京都港区、社長:佐藤誠一、以下佐藤製薬)は、順天堂大学医学研究科 生化学・細胞機能制御学(横溝岳彦教授)と生理活性脂質に関する共同研究を進め、皮膚や角膜の創傷治癒に関与する生理活性脂質である12-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(12-HHT)の代謝経路を明らかに致しました。12-HHTはアラキドン酸のシクロオキシゲナーゼ(COX)代謝物であるプロスタグランジンH2(PGH2)から生合成される不飽和脂肪酸であり、受容体であるロイコトリエンB4第二受容体(BLT2)を介して皮膚ケラチノサイトや角膜上皮細胞の細胞移動を促進することで創傷治癒を促します。本研究において、12-HHTは同じくアラキドン酸代謝物であるPG類(PGE2, PGD2, PGF)とは炭素数が異なるものの、共通の酵素(15-PGDH及びPTGR1)により12-ケトヘプタデカトリエン酸(12-KHT)及び10,11-ジヒドロ-12-KHT(10,11dh-12-KHT)へと代謝されることが示されました。一般的にPG類は代謝により受容体への活性を失う一方で、興味深いことに12-HHT代謝物はBLT2に対する活性を維持していることが明らかになりました。本研究の成果は第64回 日本脂質生化学会及び「The Journal of Biochemistry」誌において発表致しました(1)



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 これらの生理活性脂質に関する研究を継続し、研究成果の創薬への応用を検討する方針です。佐藤製薬は今後も患者様のQOLの向上に貢献できるよう独自性の高い製品の開発、提供に努めてまいります。


論文情報
(1) Identification and characterization of bioactive metabolites of 12-hydroxyheptadecatrienoic acid, a ligand for leukotriene B4 receptor 2, J Biochem. 2023 Mar 31;173(4):293-305.



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