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ニュースリリース

令和5年11月

ゲンノショウコエキスを含む特定の配合比が
I型コラーゲンを効率よく保護することを発見

 佐藤製薬株式会社(本社:東京都港区、社長:佐藤誠一)は、皮膚のI型コラーゲンを保護する作用があるゲンノショウコエキス*1について更に研究を進めたところ、ゲンノショウコエキスとオトギリソウエキス*2などの植物エキスを特定の比率で配合することでI型コラーゲンを効率よく保護することを発見しました。
 本発明内容は、国内特許(第6988016号)に続き、2023年8月15日に中国特許(ZL 202210276176.4)に登録されました。

研究の背景及び成果

 皮膚のハリや弾力の形成に重要なI型コラーゲンは、デコリン*3などの細胞外マトリックスによって保護されています。これまでの研究において、デコリンを分解してI型コラーゲンを減少させる作用があるグランザイムB*4に着目し、グランザイムBを抑制する作用があるゲンノショウコエキスを見出しその効果を検証してきました。
(第38回及び第39回 和漢医薬学会学術大会にて発表)

 今回、このゲンノショウコエキスと、オトギリソウエキスなどの植物エキスの特定の配合比が、グランザイムB抑制によるデコリン分解抑制作用を相乗的に向上させることを見出しました。この発見を応用することで、I型コラーゲンを効果的に分解から保護し、皮膚のシワ改善やハリや弾力の形成に繋げられることが期待されます。

 植物エキスがもつ力を最大限に引き出す方法をさらに追究し、新たに開発するスキンケア製品に活用していく予定です。



図1: 特許取得したI型コラーゲンを効率よく保護する作用のイメージ
図1: 特許取得したI型コラーゲンを効率よく保護する作用のイメージ



※1ゲンノショウコ:和漢薬の一種でフウロソウ科の多年草(学名Geranium thunbergii)。「現の証拠」が和名の由来とされており、伝承的に胃腸薬として使用されてきた。
第十八改正日本薬局方収載の生薬。

※2オトギリソウ:オトギリソウ科の多年草(学名Hypericum erectum)。民間薬として、皮膚炎の治療や抑うつ症状、不眠などに対して利用される。

※3デコリン:I型コラーゲンに結合し、真皮結合組織の構成成分としてはたらく細胞外マトリックスタンパク質。

※4グランザイムB:加齢や紫外線などによって増加し、様々なタンパク質を分解して炎症などに関与するタンパク質分解酵素の一種。

ゲンノショウコエキスとオトギリソウエキスのデコリン分解抑制作用

方法 デコリンにグランザイムBと植物エキス(ゲンノショウコエキス単独、オトギリソウエキス単独、ゲンノショウコエキスとオトギリソウエキス1対1の混合)を反応させ、タンパク質を電気泳動で分離・銀染色法にて検出した後、デコリン断片を解析した。
結果

図2:デコリン分解抑制における相乗作用
図2:デコリン分解抑制における相乗作用


植物エキス単独処置の作用を足し合わせた理論値と比較して、実際に組み合わせた場合の実測値の方が、グランザイムBの阻害によるデコリンの分解抑制作用は2倍程度増強した。

関連リンク

第38回 和漢医薬学会学術大会ニュースリリース
https://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2021/211001/

第39回 和漢医薬学会学術大会ニュースリリース
https://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2022/220930/

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