胃酸が逆流する生活習慣・食習慣とは?

胃酸の逆流(逆流性食道炎)は、日常の習慣によって引き起こされやすくなります。以下のような生活・食事のクセが、胃酸の逆流による胸やけや胃酸過多による胃痛を招く原因になります。心当たりのある方は、少しずつ見直してみましょう。

下記に当てはまる方は、生活習慣見直してみませんか?

  • 最近、太ってきた
  • 脂っこい食事をよく食べる
  • 一度にたくさん食べる
  • 夕食は就寝前3時間以内に取る
  • 喫煙やアルコールを習慣的に摂っている

監修  木下 芳一 【きのした よしかず】先生

兵庫県立はりま姫路総合医療センター 院長

1.お腹周りの脂肪(肥満)

お腹まわりに脂肪がついてくると、腹部の内圧が上がり、胃が圧迫されるようになります。その結果、胃酸が食道へと逆流しやすくなってしまいます。

▶ 対策:体重を適正に保ち、特に内臓脂肪を減らすことが大切です。太っている方は、まず減量を意識しましょう。

2.脂っこい食事

下部食道括約筋(LES)イメージ

揚げ物やバター、クリーム系の料理など脂肪分の多い食事を摂ると、胃と食道の間にある「下部食道括約筋(LES)」がゆるみやすくなります。この筋肉は通常、胃酸の逆流を防いでいますが、緩んでしまうと胃酸が食道へ流れ込んでしまいます。

▶ 対策:脂っこい食べ物は控えめにし、あっさりとした食事を心がけましょう。

3.一度に食べすぎる

大量に食べると消化に時間がかかり、胃の中に食べ物が長くとどまります。胃の壁が伸展したり、胃の圧力が高い状態が続いたりすることで、下部食道括約筋がゆるみやすくなり、胃酸が逆流しやすくなります。

▶ 対策:腹八分目を意識して、ゆっくりよく噛んで食べましょう。一度にたくさん食べないことが大切です。

4.寝る直前の食事

寝る直前の食事

夕食後すぐに横になると、重力の影響がなくなるため、胃酸が食道へ上がりやすくなることがあります。特に食後3時間以内の就寝は、胃の中に食べ物が残っている状態なので、逆流しやすくなります。

▶ 対策:就寝の3〜4時間前までに夕食を済ませるようにしましょう。

5.喫煙やアルコール

タバコやお酒も、下部食道括約筋(LES)の働きを弱め、胃酸が逆流しやすい状態をつくります。とくに喫煙は、胃だけでなく全身の健康に悪影響を与えます。

▶ 対策:喫煙やアルコールは控えるようにしましょう。肥満の方は、まず体重を減らすことが優先される場合もあります。

まとめ

胃酸の逆流を防ぐには、日々のちょっとした意識と習慣の改善がとても効果的です。症状が気になる方は、まず食事の内容やタイミング、生活スタイルを見直してみましょう。

ここまでの内容は、兵庫県立はりま姫路総合医療センター 院長 木下 芳一先生に監修いただきました。

監修  木下 芳一 【きのした よしかず】先生

兵庫県立はりま姫路総合医療センター 院長

1980年神戸大学卒業、87年ミネソタ州メイヨークリニックへ留学(リサーチフェロー)、97年島根医科大学第2内科教授、2002年同大学附属病院光学医療診療部部長、03年島根大学医学部第二内科学教授、2004年島根大学医学部副学部長、07年同大学医学部学部長、12年同大学医学部附属病院副院長、19年製鉄記念広畑病院病院長、20年兵庫県立姫路循環器病センター院長、22年兵庫県立はりま姫路総合医療センター院長

動画で解説!胃酸が逆流する生活習慣

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