ニュースリリース

2025年12月

自社創薬研究から新たな高尿酸血症治療薬候補を創出:
革新的な低分子化合物の研究成果を発表

 佐藤製薬株式会社(本社:東京都港区、社長:佐藤誠一)は、当社の創薬研究から創出した新規URAT1阻害剤S-001000が、尿酸排泄低下マウスモデルにおいて、経口投与により用量依存的な尿酸排泄促進作用を示すことを明らかにしました。本研究成果は、2025年11月18~20日に開催された「第42回メディシナルケミストリーシンポジウム」で発表しました。

研究の背景及び成果

 URAT1(Urate Transporter 1)は、腎臓の近位尿細管に発現するトランスポーターであり、尿酸の再吸収に関与しています。URAT1を阻害することで尿酸排泄が促進され、血中尿酸値が低下することから、URAT1阻害剤は高尿酸血症治療薬として利用されています。臨床では古くから使用されているURAT1阻害剤の一部には、その化学構造に由来する肝臓への影響が示唆されています。
 このような背景から、当社では従来の化合物とは異なる構造を有し、安全性の向上が期待できる新規URAT1阻害剤の創出を目指して研究を進めてきました。その結果、特許性の高いリード化合物から最適化研究を重ね、URAT1阻害活性が高く、高いURAT1選択性と良好な安全性プロファイルを併せ持つ化合物S-001000を創出しました。また、S-001000は、尿酸排泄低下マウスモデルにおいて、経口投与により用量依存的な尿酸排泄促進作用を示しました。これらの結果から、S-001000は高い安全性を有する次世代の高尿酸血症治療薬候補として期待されます。

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